こんにちは。
「ラッパ吹きの防音研究所」所長の「J」です。
「部屋の中に部屋 キット」というキーワードで検索して、ここにたどり着いたということは、あなたは何かしらの「空間」に関する切実な悩みを抱えているんだと思います。
それは、テレワークブースとして集中できる空間が欲しい、ということかもしれません。
あるいは、楽器の練習やゲーム配信のための「防音」空間が欲しい、ということかもしれませんね。
私自身、トランペットの騒音苦情で家族やご近所に迷惑をかけたくない一心で、防音について徹底的に研究し、最終的には自宅に防音室をdiyした経験があります。
だからこそ、その「音漏れが怖い」「集中できる場所がない」という気持ちは、痛いほどよくわかります。
このキーワードの難しいところは、検索すると、数千円の安いテント型から、おしゃれな木製フレーム、そして10万円を超える組立式防音室まで、全く異なる製品が一緒に出てきてしまうことです。
賃貸でも大丈夫なのか、デメリットはないのか、そして見落としがちな換気や消防法といった法的な問題はクリアできるのか…。
情報が多すぎて、何を選べばいいか混乱してしまいますよね。
この記事では、私自身の防音室自作の経験も踏まえながら、あなたの「目的」に合った最適なキットはどれなのか、そして導入で絶対に失敗しないための注意点を徹底的に解説していきます。
- 目的別(テレワーク・防音・簡易)のキットの違い
- DIYや安い代替案(テントなど)の可能性
- 賃貸で設置する際の法的な注意点(消防法)
- 見落としがちなデメリット(換気・酸欠リスク)
目的別!部屋の中に部屋 キットの選び方

まずは一番大事なところから。
一口に「部屋の中に部屋 キット」と言っても、製品の目的はバラバラです。
あなたが「なぜ」個室を欲しいのかによって、選ぶべき製品は全く変わってきます。
「音を防ぎたい」のか、「視線を遮りたい」のか。ここをハッキリさせることが、失敗しない第一歩ですね。
ここを間違えると、「高いお金を出したのに、全然集中できない…」なんてことになりかねませんから。
テレワークブースの選び方

在宅勤務の普及で、一気に需要が増えたのがこのタイプです。
テレワークブースに求められる主な性能は、「防音(遮音)」よりも「視覚的な集中」と「吸音」の2つです。
「吸音」の本当の意味と限界
「吸音」というのは、音を吸収して、部屋の中での反響(エコー)を抑えること。
Web会議で自分の声がワンワン響いてしまうと、相手はすごく聞き取りにくいですよね。
REMUTE(リミュート)のような吸音パネルブースは、この反響音をしっかり抑えて、クリアな音声を相手に届けることを目的としています。
ブース内で話す「自分」の声は、劇的にクリアになります。
ただし、ここで多くの人が勘違いしがちな重大なポイントがあります。
「吸音」は、あくまで「内部の反響を抑える」だけで、「外部の音を遮断する(遮音)」効果は限定的だということです。
「吸音」は「遮音(防音)」ではありません。
吸音材(スポンジ状のもの)は音を吸収しますが、音を突き抜けさせない力(遮音)は弱いです。
したがって、吸音ブースは、「家族が見ているテレビの音」や「子供の声」がブースの中に入ってくるのを防ぐ効果は、あまり期待できません。
「周りがうるさいから」という理由で吸音ブースを買うと、ほぼ確実に失敗します。
あくまで「自分の声の品質を上げる」ためのもの、と割り切る必要がありますね。
ブース選びの「電源」チェックは必須
もう一つ、自宅用ブースで見落としがちなのが「電源(コンセント)の数」です。
いざ仕事を始めると、本当に多くの電源が必要になります。
- ノートPC(またはデスクトップPC)
- 外部モニター
- デスクライト
- スマートフォンの充電
- (人によっては)リングライトやプリンター
「いざ設置したらコンセントが足りなくて、足元がタコ足配線だらけ…」なんてことにならないよう、自分が使う機器の数を事前にリストアップし、十分なポート数(コンセント口やUSBポート)が確保されている製品を選んでください。
防音性能で選ぶ楽器・配信向け個室

さて、ここが私の専門分野です。
楽器演奏、ボーカル録音、「歌ってみた」配信、あるいはボイスチャットなど、「外部への音漏れを防ぐ(遮音)」ことが最重要目的の場合、選ぶべきは「防音室」カテゴリーになります。
何を隠そう、私自身がトランペットの「音漏れ」で苦情をいただき、この「遮音」性能を求めて防音室を自作するに至ったわけです。
だからこそ断言できますが、楽器の音圧(特に金管楽器や打楽器、ボーカル)は、防音カーテンやちょっとした吸音材程度では絶対に止まりません。気休めにもならないレベルです。
遮音と吸音は全くの別物!
この2つは、防音を考える上で最も重要です。ごちゃ混ぜにすると必ず失敗します。
- 遮音(防音): 音を物理的に「遮断」し、外に漏らさないこと。原則として「重くて密度の高い」素材(例:重い鉄板、コンクリート壁、遮音シート)が必要です。
- 吸音: 音を「吸収」し、反響音を減らすこと。原則として「柔らかく隙間の多い」素材(例:スポンジ状のウレタン、グラスウール)が使われます。
クリアな録音環境のためには「吸音」も必要ですが、音漏れを防ぐにはまず「遮音」が必須です。
この遮音を目的としたキットには、大きく分けて2つの選択肢があります。
1. 組立式・簡易防音室(賃貸・プロシューマー向け)
製品例としては「OTODASU(オトダス)」や、最近では様々なメーカーから同様の製品が出ていますね。
これは、従来のプロ用防音室(ヤマハなど)が「高価(100万円〜)」「重量(500kg〜)」「施工必須」で、事実上「持ち家」専用だったのに対し、全く新しい市場を開拓した製品です。
「賃貸OK」「工具不要」「軽量(100kg前後)」「低価格(10万円台〜)」というキーワードで、在宅で活動する「プロシューマー(プロと消費者の間の層)」の需要をガッチリ掴みました。
完璧な防音(スタジオレベル)とまではいかなくても、「近隣に迷惑をかけないレベル」の遮音性能と、引越し時に持っていける可搬性を両立させたい、という賃貸住まいのクリエイター層に強く支持されています。
価格帯も13万円〜35万円程度と、本格防音室に比べれば現実的な範囲です。
2. プロフェッショナル防音室(持ち家・本格派向け)
ヤマハのアビテックスや、カワイのナサールといった、楽器メーカーが作る防音室です。
これらは「Dr-35」や「Dr-40」といった遮音性能の等級(Dr等級)が明記されているのが特徴です。この数字が大きいほど高性能で、例えばDr-40なら「ピアノの音が、隣室では小さな話し声レベルに聞こえる」くらいのイメージですね。
アコースティックギターや弦楽器はもちろん、ピアノやサックスの演奏にも耐えうる本格的なものです。
ただし、価格は最小モデル(0.8畳など)でも本体70万円以上、プラス運送・組立費が別途数十万円かかります。
持ち家で、本格的な練習環境を恒久的に設置したい、という方向けの最終ソリューションですね。
安い個室を実現する選択肢

「防音まではいらないけど、とにかく安く視線を遮りたい」
「まずは低コストで集中環境を試してみたい」
という場合、キットに頼らない方法もたくさんあります。
むしろ、「音」を諦めるだけで、選択肢は一気に広がり、コストは劇的に下がりますよ。
パーテーション・衝立
最も手軽に視線を遮る方法です。折りたたみ式なら使わない時は収納できますし、キャスター付きなら移動も楽です。
ただし、視線は遮れても「空間」を仕切る感覚は薄く、背後や上部からの視線・気配は防げません。
間仕切りカーテン
突っ張り棒(つっぱりポール)を使えば、壁を傷つけずに部屋の好きな場所で空間を仕切れます。
天井から吊るすアコーディオンカーテン(パネルドア)なら、より「壁」に近い感覚で仕切れますね。
パーテーションよりもしっかりと「個室感」を出せるのがメリットです。
最強の代替案:家具(シェルフ・本棚)転用
私が特におすすめしたいのがこれです。
ワンルームなど狭い空間に「仕切り」のためだけの単機能のパーテーションを置くと、それ自体がデッドスペースになってしまいます。
でも、背の高い本棚(シェルフ)を間仕切りとして使えば、「収納」という本来の役割を果たしつつ、その高さと幅で「視覚的な壁」としても機能します。
これは、空間効率を最大化する「ゆるやかなゾーニング」のテクニックです。
収納も増えて、プライベート空間も作れる。一石二鳥のアイデアですね。
おしゃれな木製フレームキットとは

Xyl(キシル)の「インスタントルーム」のように、木製のフレーム(枠組み)だけを組み立てるキットもありますね。
国産ひのきを使っていたりして、確かにおしゃれで、インテリアとしての価値は高いと思います。
リビングに子供のプレイスペースを作ったり、カフェのような「ゆるやかな」仕切りを作るのには最適でしょう。
布をかけたり、ルーバー(羽板)を取り付けたりして、圧迫感なく「心理的な境界」を作ることができます。
ただし、これは「フレーム」であり、壁や天井はありません。
当然ですが、音響的な性能(防音・吸音)は一切ゼロです。
これを「個室」や「テレワークブース」と期待して購入すると、「思っていたのと違った」と後悔することになるので、あくまで「空間的・視覚的なゾーニング(区分け)」と「心理的な境界」を作るためのもの、と理解しておく必要があります。
diyで個室を自作する方法

「diy 防音室」…これは、私自身がまさに通ってきた道です。
市販品に手が出ない、でも防音したい、という情熱があるなら、挑戦する価値はあります。
私も最初は知識ゼロから、遮音材や吸音材の特性を学び、何度も失敗しながら防音壁の構造を研究しました。
本格的なDIYでは、賃貸でも使えるラブリコ(突っ張り柱)と2×4材で骨組みを作り、壁の中に「遮音シート(重いゴム状のシート)」と「グラスウール(断熱材兼吸音材)」を仕込んでいくのが王道です。
私もこの方法で、かなりの遮音性能を実現できました。
しかし、DIYには最大の難関があります。
DIYの成否は「ドア」と「隙間」で決まる
DIY防音室の成功は、「ドアの設計」と「隙間の密閉」に全てがかかっていると言っても過言ではありません。
音は空気の振動ですから、わずか1mmの隙間でも(水のように)そこから漏れ出します。
特にドア周りは、開閉のために構造的に隙間が生まれやすい、最大の弱点です。
私自身、このドアの密閉処理に一番時間とお金をかけました。防音ドアというのは既製品だと平気で20万、30万します。それを自作でどうにかしようとすると、ゴムパッキンや隙間テープを何重にも貼ったり、ドア自体を重くしたりと、尋常ではない手間がかかります。
多くのDIY実践者がここで挫折していますね。
OTODASUのようなキットが10万円以上する価値は、まさにこの「設計済みのドアと密閉性」が工具不要で手に入るところにある、とDIY経験者の私は思います。
材料費だけ見れば安くできそうでも、この「設計ノウハウ」と「施工の手間」をショートカットできる価値は非常に大きいですね。
テント型個室のメリット

最後に、最も低コストな「テント型」です。
Bauhutte(バウヒュッテ)の「ぼっちてんと」などが代表的ですね。
デスク周りをすっぽり覆うものや、床に直接置くコシツブースなど、価格も5,000円〜15,000円程度と非常に安価です。
当然、布一枚ですから防音性能はほぼゼロです。音は普通に筒抜けです。
しかし、この製品が解決するのは「音」ではなく「視線(Gaze)」という、集中力を阻害するもう一つの大きな要因です。
人の脳は、視界の端で何かが動くだけで、無意識に注意をそちらに向けてしまいます。家族が部屋を横切るだけで、集中は途切れてしまうんですね。
「家族の視線があると集中できない」という人にとって、数千円で「完全な視覚的プライバシー」が手に入るわけですから、課題が「音」ではなく「視線」であるならば、これは最もコストパフォーマンスに優れた集中ブースと言えるでしょう。
あの「秘密基地」のような閉塞感が、逆に集中力を高めてくれる面もあります。
使わない時は小さくたためるのも、部屋が狭い場合には大きなメリットですね。
部屋の中に部屋 キット導入前の注意点

さて、ここからが非常に重要です。
むしろ、ここからがこの記事の本題かもしれません。
特に防音室やクローズド型(天井まで覆うタイプ)のブースを検討している方は、買う前に絶対に確認してください。
ここを見落とすと、健康を害したり、最悪の場合、法的な問題に発展する可能性があります。
私自身、防音室のDIYにあたって法律関係を徹底的に調べ上げ、そのリスクの高さに震えた部分です。
賃貸設置で確認すべきこと

私も昔は賃貸アパート住まいで、トランペットの練習場所に本当に苦労しました。
「賃貸OK」と謳っている製品(OTODASUなど)や、ラブリコを使ったDIYは、確かに壁に穴を開けないので「理論上は」原状回復は可能です。
ですが、見落としがちなのが「重量」と「搬入経路」です。
床の耐荷重は大丈夫か?
特に防音室は、遮音性能を上げるために「重く」作られています。簡易なものでも100kg近く、本格的なものだと500kgを超えることもあります。
一般的な賃貸住宅(木造アパートなど)の床の耐荷重は、建築基準法で定められている最低ラインである「180kg/m²(1平方メートルあたり180kg)」で設計されていることが多いです。
1畳(約1.62m²)に300kgの防音室を置いたらどうなるか…計算上はアウトですよね。
もちろん、重さが分散されたり、梁の上なら大丈夫だったりしますが、素人判断は危険です。
製品の総重量を確認し、それが設置場所の「床の耐荷重」を超えていないか、事前に管理会社や大家さんに必ず確認してください。「床が抜けた」では済みません。
搬入経路の罠
製品が「部屋」に入ることも重要ですが、その前に「家」に入れなければ意味がありません。
- 玄関のドア幅と高さ
- 廊下の幅(特に曲がり角)
- エレベーターの入口と内部の寸法
- 階段の幅と踊り場のスペース
「部屋には入るけど、廊下の角が曲がれなくて搬入できなかった」という悲劇は、本当によくあります。
梱包サイズをメーカーに確認し、メジャーを持って自宅の搬入経路をくまなく測定してください。
失敗しないためのデメリット確認

「個室が手に入る!」とメリットばかりに目が行きがちですが、当然デメリットもあります。
これらを許容できるか、導入前にしっかりシミュレーションしてください。
圧迫感とスペースの問題
当然ですが、ブースを置いた分、居住スペースは狭くなります。
特に1畳タイプのブースでも、外寸はそれ以上あり、ドアの開閉スペースも必要です。
6畳の部屋に置いたら、残りは4畳半程度になる感覚です。かなりの圧迫感が出ることは覚悟しておきましょう。
初期費用とランニングコスト
性能を求めれば、数十万円単位の出費になります。
さらに、見落としがちなのがランニングコスト。特に夏場は、内部に熱がこもるため、エアコンの設置(またはブース内への送風)が必須になります。その分の電気代も考慮に入れておく必要があります。
熱こもりと快適性
高気密なブースは、外の音を入れない代わりに、中の熱も逃しません。
人間の体温、そしてPCやモニター、照明器具が発する熱で、ブース内の温度は想像以上に早く上昇します。
夏場はもちろん、冬場でも暖房いらず(むしろ暑い)になることが多いです。エアコン設置ができない簡易ブースの場合、この「熱問題」はかなり深刻ですよ。
命に関わる換気の問題点

これは、クローズド型のブースを検討する上で、最も重要な(文字通り、命に関わる)確認事項です。
防音室は、音漏れを防ぐために「非常に高い気密性」を持っています。
その結果、隙間からの「自然換気」がほぼ期待できません。
この狭い密閉空間では、たった一人の呼吸だけでも、短時間で空気の質が劇的に悪化します。
つまり、「酸素濃度の低下」と「CO2(二酸化炭素)濃度の上昇」が起こるんです。
CO2濃度上昇の危険性
建築物衛生法では、室内のCO2濃度を1000ppm以下に保つよう基準が定められています。
- 1000ppm超: 集中力や思考力の低下が始まる
- 2000ppm超: 眠気、頭痛、倦怠感を強く感じる
- 3000ppm超: 健康への悪影響が顕著になる
換気のない狭いブースでは、30分もかからずに1000ppmを超え、1時間もすれば2000ppmに達する可能性があります。
ここに恐ろしいパラドックスがあります。
「集中するため」に高価なブースを導入したのに、そのブースの「換気不足(高CO2濃度)」が原因で「集中力が低下する」という、目的と真逆の結果を招く危険性があるんです。
これは防音室をDIYした際、私自身が最も恐れ、対策に腐心した点です。
「換気システム」は必須の生命維持機能です
天井まで覆われているクローズド型のブースを検討する場合、「換気ファン(給気と排気)」の有無は、価格や防音性能以前の「必須機能」として必ず確認してください。
もし換気機能がない(または弱い)製品を選ぶ場合は、私自身もDIY防音室に常設していますが、「CO2チェッカー(モニター)」を必ず併用し、数値を見ながら定期的にドアを開けて換気することを徹底する必要があります。
「ちょっと息苦しいかも」と感じた時は、すでに手遅れ(CO2濃度が危険水域)かもしれません。
【防音日誌】DIY防音室の落とし穴。私が体験した「息苦しさ」と換気の重要性
消防法違反のリスクと対策

そして、もう一つの重大なリスクが「消防法」です。
DIY勢が陥る最大の罠であり、メーカー品でも確認が必要です。
なぜ問題になるかというと、天井まで覆われたブースを設置すると、「部屋の天井にある火災報知器やスプリンクラーが、ブース内部の火災を感知・消火できなくなる」からです。
そのため、天井や壁が完全に覆われているクローズドタイプの個室ブースは、消防法において「居室」または「可動式ブース」と見なされ、消防法の規制対象となる可能性が非常に高いです。
規制対象となった場合、原則として、そのブース内部にスプリンクラーや自動火災報知器の設置が義務付けられます。
これを無視して設置し、万が一火災が起きれば、重大な法的責任を問われることになります。
消防法「免除」の特例とは?
「じゃあ、全部ダメなのか?」というと、そうではありません。
この問題を回避するために、「特例」が設けられています。
非常に厳しい条件ですが、以下などを満たせば、消防設備の設置が免除される場合があります。(出典:総務省消防庁「可動式ブースに係る消防用設備等の取扱いについて」)
【免除の特例(簡易要約)】
※これは簡易的な説明です。詳細は必ず所轄の消防署や専門家にご確認ください。
- 床面積が一定以下であること。
- 天井と壁の仕上げ(内装)が「不燃材料」(コンクリート、石膏ボード、ガラスなど)であること。
- 自動消火装置などがブース内に設置されていること。
- ブース内で火災報知器の警報音が十分聞こえること。
【警告】木製DIYと可燃材料の罠
この特例を見て、ピンと来たかもしれません。
免除の絶対条件は「不燃材料」の使用です。
しかし、DIY防音室や、Xylのようなおしゃれな木製キットの主材料は「木材」「ベニヤ」「ラティス」…これらはすべて「可燃材料」です。
したがって、これらの可燃材料を用いて「天井まで覆うクローズド型」のブースを自作・設置することは、消防法の免除特例をクリアできず、違法状態となる可能性が極めて高いです。
絶対に、自己判断で「燃えやすい素材」を使って天井を塞がないでください。これは冗談抜きで危険です。
私たちユーザーが取るべき安全な選択肢は、以下の2つです。
- 天井が解放されている「オープン型」のブース(REMUTEのセミオープンタイプなど)を選ぶ。
- 「クローズド型」を選ぶ場合は、メーカーが「消防法特例対応(不燃材使用など)」と明記している、法規対応済みの製品を選ぶ。
高価な製品ほど、このあたりはクリアしているはずですが、念のため購入前にメーカーに確認することをおすすめします。
まとめ:最適な部屋の中に部屋 キットの選び方

ここまでお疲れ様でした。
「部屋の中に部屋 キット」と一口に言っても、価格も性能もリスクも全く違うことがお分かりいただけたかと思います。
選ぶプロセスは、自身の「目的」を診断し、「リスク」を理解するプロセスです。
あなたがいま解決したい一番の課題は何ですか?
「音(遮音)」ですか?
「反響(吸音)」ですか?
それとも「視線(プライバシー)」ですか?
この診断に基づけば、選ぶべき道は明確なはずです。
目的別・最終診断チャート
- 低予算で視線だけ遮りたい
→「C. 簡易テント型」または「D. 代替(シェルフなど)」 - Web会議の音声(反響)を改善したい
→「A. 吸音パネルブース」(※遮音効果は限定的と理解する) - 賃貸で配信や楽器の音漏れを防ぎたい
→「B. 組立式防音室」(※換気と重量と消防法を要確認) - 持ち家で本格的な楽器防音をしたい
→「B. プロフェッショナル防音室」(※専門業者と相談)
私自身、トランペットの音で悩み抜いたからこそ、安易な防音グッズには手を出さず、常に「目的」と「リスク」を見極めてほしいと願っています。
特に「換気(健康リスク)」と「消防法(法的リスク)」の2点は、絶対に妥協せず、安全な製品を選んでください。
この記事が、あなたが最適な「部屋の中に部屋 キット」を見つけ、快適な「境界」を手に入れるための一助となれば幸いです。

