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【防音日誌】DIY防音室の落とし穴|元ラッパ吹きが体験した「息苦しさ」と換気の重要性

自宅に防音室を自作するメリット Jの防音日誌

【防音日誌】DIY防音室の落とし穴。私が体験した「息苦しさ」と換気の重要性

ラッパ吹きの防音研究所へようこそ。所長のJです。

この「Jの防音日誌」コーナーでは、私のリアルな失敗談(Experience)をお話ししています。

今回のテーマは、私が防音対策を進める中で、文字通り「息が詰まる」ような思いをした体験です。 それは、念願だった「防音室」と、その「気密性」に関する、見落としがちな「落とし穴」の話です。

「音を止める」ことだけに集中しすぎると、かえって「快適な練習環境」から遠ざかってしまう…。 この私の失敗が、あなたの「安全な防音室作り」のヒントになれば幸いです。


夢の「DIY防音室」と、練習中に訪れた「異変」

騒音苦情をきっかけに防音研究を始めた私は、遮音材や吸音材を買い集め、自室の一角に「DIY防音ブース」と呼べるような空間を作り上げました。

遮音シートを重ね貼りし、石膏ボードで壁をふかし、隙間という隙間をコーキング剤で埋める。 トランペットの音を外に漏らさないためには、「気密性」こそが命だと信じていました。

完成したブースにこもり、私は夢中でトランペットの練習を始めました。 「すごい!音が外に漏れない!これで心置きなく練習できる!」

しかし、30分ほど経った頃でしょうか。

なんだか、頭が「ボーッ」としてくるのです。 最初は練習に集中しているからだと思っていました。ですが、1時間が経つ頃には、明らかな「息苦しさ」と、軽い「頭痛」のようなものを感じ始めました。

ブースのドアを開け、外の空気を吸った瞬間の、あの「生き返る」ような感覚。 その時、私はハッとしました。

「もしかして、この部屋、空気がよどんでいないか…?」


防音=気密性。その「当然の帰結」という落とし穴

防音室を後付けで施工する場合

音響工学や建築音響学を学んだ今なら、当たり前のことだと理解できます。

「防音性能を高める」ということは、「音(空気の振動)が漏れる隙間をなくす」こと。 つまり、「部屋の気密性を極限まで高める」こととイコールです。

隙間がなければ、当然、「新鮮な空気」が入ってくる隙間もありません。

さらに、トランペットという楽器は、演奏者が大量の「息(二酸化炭素)」を吐き出し続ける楽器です。

密閉された狭い空間で、大量の息を吐き続ければ、どうなるか。 新鮮な酸素は減り、二酸化炭素の濃度が(おそらく)急速に上昇していたのでしょう。

私が感じた「頭がボーッとする」「息苦しさ」といった体感は、この「空気のよどみ」が原因だったのではないか、と推測しています。

(※これはあくまで私Jの体験と推測であり、医学的な診断ではありません。)

「音を止める」ことばかりに夢中になり、「その中で人間が呼吸をする」という、最も基本的な視点が抜け落ちていたのです。 これぞ、私の研究者としての「大きな失敗」でした。


私Jが講じた「安全対策」としての換気ルール

この「息苦しさ」体験以来、私は防音対策の研究に「換気(空気の通り道)」という項目を最重要課題として加えました。

ヤマハのアビテックスのような市販の防音室には、当然ながら「換気扇(給排気システム)」が標準装備されています。その意味を、私は身をもって痛感したのです。

私がすぐに行った対策は、非常にシンプルなものでした。

対策1:30分に一度の「強制換気」タイマー

まず、スマートフォンのタイマーを「30分」にセット。アラームが鳴ったら、どれだけ練習がノッていても、必ずブースのドアを開け放ち、最低5分間は部屋全体の空気を入れ替える(換気する)というルールを徹底しました。

対策2:「CO2センサー(二酸化炭素濃度計)」の導入

研究者としての性分で、私は「空気のよどみ」を可視化することにしました。市販のCO2センサーを購入し、ブース内に設置したのです。

結果は一目瞭然でした。締め切って練習を始めると、みるみるうちにCO2濃度の数値が上昇し、「換気推奨」のアラートが鳴り響きます。この「空気の見える化」は、私の体感がいかに正しかったかを証明してくれました。


【最重要】これから防音室を作るあなたへ

このJの失敗談から、あなたに覚えておいてほしい教訓は一つです。

「遮音・吸音」と「換気」は、必ず「セット」で計画してください。

DIYで防音室を作る場合、音漏れを恐れるあまり、隙間をすべて埋めたくなります。しかし、それは同時に「呼吸」を止める行為にもなりかねません。

防音性能の高い「換気扇」や「給排気口」の設置は、技術的にも金銭的にもハードルが高いのは事実です。 しかし、もしそこまでできない場合でも、私のように「時間を決めて強制的に換気する」というルールだけは、絶対に守ってください。

もし、練習中に少しでも「息苦しさ」や「頭がボーッとする」といった体調の変化を感じたら、それは集中しているからではなく、「空気のよどみ」のサインかもしれません。

すぐに練習を中断し、ドアや窓を開けて、新鮮な空気を吸ってください。

「最高の練習環境」とは、ただ音が漏れないだけの場所ではありません。 あなたが「安全に、健康に」練習を続けられる場所のことです。

私のこの失敗が、あなたの「安全で快適な」防音ライフの一助となることを、心から願っています。

(※本記事は、あくまで私J個人の体験談に基づくものです。深刻な体調不良や健康に関するご不安は、専門の医療機関にご相談ください。)


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【案内人:J】
T音大卒 / 元大手楽器店(防音室・音響担当)。
DAT時代からの音響技術と、自身の騒音苦情を解決した経験を持つ。

【運営体制の透明性】
現在は片麻痺を抱えていますが、過去の膨大な測定データと知識をフル活用し、「動けないプロ」として専門的かつ実践的な情報を提供しています。

「奏でる人から、聴く人へ。」

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